【軽井沢・千ヶ滝の特殊伐採事例】傾いた枯れナラを隣の桜を傷つけずに。スピードラインで集材までを3日で

軽井沢の千ヶ滝別荘地にて、傾いた枯れナラの木を特殊伐採で処理しました。狭く条件の悪い現場でしたが、2人体制で1日で完了しています。

枯れて、しかも傾いている。登ること自体が危険な木

今回の対象は、すでに枯れて斜めに傾いたナラの木です。

枯れ木の難しさは、外から見ても内部の状態が分からないことにあります。幹の中で腐朽が進んでいれば、体重をかけた瞬間に折れる可能性がある。そこに「傾いている」という条件が重なれば、荷重のかかり方も通常の木とは違ってきます。

生きている木であれば、幹に登って枝を落としながら下りてくるのが基本です。しかし今回はその前提が使えません。

クライミングロープの支点は、背後の「元気なミズキ」に

そこで今回は、自分のクライミングロープの支点を、対象木ではなく背後に立つ元気なミズキに設定しました。

こうすることで、伐採する枯れナラに自分の全体重がかかることはありません。万一、作業中に幹が折れたとしても、自分はミズキに吊られた状態を保てます。対象木の強度に自分の命を預けない。枯損木を扱ううえでこれは重要な判断です。

「登れない木でも、隣の木から届けば対応できる」。樹上作業では、どの木から攻めるかという選択そのものが安全対策になります。

真下には、別の地主様の桜

もうひとつ、この現場には制約がありました。伐採木の真下に、別の地主様が所有する桜の木があったのです。

自分の敷地内であれば、多少の枝の接触は許容できるかもしれません。しかし隣地の、しかも桜となれば話は別です。傷つければそのままトラブルになります。

そこで、一度に大きく落とすことはせず、小さく慎重に分割しながらリギング(吊り切り)で下ろす方法を取りました。切った幹や枝をロープで保持し、摩擦で速度を抑えながら、桜に触れない位置へ一つずつ降ろしていきます。

分割を細かくするほどカットの回数は増え、時間もかかります。それでも、下に大切なものがある現場では、この手間こそが仕上がりを決めます。

コブシとクリの剪定も、あわせて対応

今回は枯れナラの伐採に加えて、敷地内のコブシとクリの剪定も承りました。

一度の訪問でまとめて作業することで、機材の運搬や段取りを共通化できます。別々にご依頼いただくより、費用も日数も抑えられます。

剪定枝は敷地内に。ただし「運ぶ」が問題になる

切った枝については、お客様とご相談のうえ、すべて敷地内に置かせていただくことになりました。

搬出して処分場へ持ち込めば、運搬費と処分費がかかります。敷地内に置ける場所があるのなら、その費用をまるごと抑えられる。別荘地のように敷地に余裕がある現場では、有効な選択肢です。

ただし、ここで別の問題が出てきます。敷地が傾斜地だったのです。

枝を集める場所まで、斜面を人力で運び上げ、運び下ろす。この作業が、実は伐採そのものより時間と労力を奪います。しかも足場の悪い斜面での運搬は、転倒や腰への負担といったリスクもついて回ります。重機が入れる現場なら話は早いのですが、今回はそれもできませんでした。

ウインチと滑車で「スピードライン」を構築

そこで組んだのが、スピードラインのシステムです。

ウインチと滑車、ロープを組み合わせ、傾斜の上から下へ向けてロープを張ります。そこに切った枝をまとめて吊り下げ、ロープウェイのように滑らせて一気に下ろす仕組みです。

人が担いで何十往復もしていた作業が、重力を使って数回の送り出しで済みます。結果として、短時間で、しかも安全に集材を終えることができました。

特殊伐採というと「木に登って切る技術」と思われがちですが、実際の現場では切った後をどう動かすかで作業時間が大きく変わります。重機が入らない、人力では非効率。その間を埋めるのが、こうしたロープワークの応用です。

道具とシステムの選択が、そのまま費用に跳ね返ります。搬出コストを抑えるために敷地内処理を選び、その処理を成立させるためにスピードラインを組む。一つひとつの判断がつながっています。

狭所・枯損木・傾斜地。3日間で完了

枯れて傾いた木、真下にある隣地の桜、重機の入らない傾斜地。条件としては決して良くない現場でしたが、段取りを組み、3日間で全工程を終えることができました。

作業後は現場をきれいに片付けてお引き渡ししています。桜への損傷もありません。

枯れ木は「見た目」で判断できません

枯れた木、傾いた木は、放置するほど危険度が上がります。内部の腐朽は目で見えないため、「まだ立っているから大丈夫」という判断が通用しないのが厄介なところです。

強風や積雪で倒れてからでは、建物や隣地への被害が発生したあとになります。そして倒れかかった木は、立っている木より処理の難易度も費用も上がります。

「枯れている木がある」「傾いていて不安」「重機が入らない場所で断られた」そうしたご相談は、まずお写真を送っていただければ状態を拝見します。軽井沢をはじめ、長野県内の別荘地・住宅地に対応しています。

敷地のお写真をお送りいただくだけでお見積もりが可能です。遠方にお住まいの別荘オーナー様も、ご不在のまま作業から写真報告まで一貫して対応いたします。

作業データ

場所
長野県北佐久郡軽井沢町 千ヶ滝別荘地
樹種・本数
ナラ1本(枯損木・傾斜あり)、コブシ・クリの剪定
作業内容
特殊伐採・剪定・集材・片付け
作業時間
3日間(作業員2名)
作業方法
クライミングロープの支点を背後のミズキに設定し、対象木へ荷重をかけずに作業。小分割してリギングで吊り下ろし。集材はウインチ・滑車・ロープによるスピードラインで対応
特殊条件
枯損木かつ傾斜しており折損リスクあり。真下に隣地所有の桜があるため落下位置を制御。重機の入らない傾斜地のため、剪定枝は敷地内で処理し搬出費を圧縮

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